官房機密費 菅内閣、15億3000万円支出 使途開示拒む 塩川氏に政府が答弁書

 野田内閣は27日、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が提出した官房機密費(内閣官房報償費)の質問主意書に対する答弁書で、2011年度(4月〜8月)の官房機密費を計6億円支出したことを明らかにしました。

 菅内閣時に塩川氏が提出した質問主意書に対する答弁書(5月)では、菅直人前首相が就任した10年6月から11年3月まで計9億3000万円を支出したことが判明しており、菅前首相の在任期間中に15億3000万円の官房機密費が使われたことになります。

 今回の答弁書によると、官房機密費の支出は4月に2回、5〜8月に各1回の計6回で、毎回1億円でした。

 塩川氏は質問主意書で、菅内閣から野田内閣への引き継ぎ時の官房機密費の残高をただしましたが、答弁書は「内閣官房報償費の性格上、答えを差し控える」と回答。使途公開の具体化については「今後検討することとしたい」にとどめ、使途開示も一切拒否しています。

 官房機密費は、政策推進、調査情報対策などの名目で、官房長官の裁量で支出される経費。支出先からの領収書は不要で、会計検査院の監査さえ受けることがありません。自民党政権からの歴代政権は「国益を損なう」と具体的な支出先の開示を完全に拒否してきており、官房機密費問題でも民主党政権は自民党化したといえます(11年9月28日配信『しんぶん赤旗』)

 

☆ 1年3カ月の菅政権、官房機密費15億円 使途は不明確=菅内閣の約1年3カ月間に、計15億3千万円の内閣官房報償費(官房機密費)が国庫から支出されていたことが11年9月27日、野田内閣が閣議決定した答弁書で明らかになった。このうち4月時点で91万3082円が使われず、国庫に返納された。

 11年度に入ってからは、4月1日、21日、5月20日、6月21日、7月21日、8月18日に各1億円ずつ、計6億円を引き出した。4月に枝野幸男官房長官(当時)は機密費の使途について「東日本大震災以降、被災者支援の観点で効果的に使っている」と語ったが、具体的な使い道は明らかにしていない。

 菅内閣から野田内閣に引き継いだ時点の機密費の残高も、答弁書では明らかにしていない(11年9月28日配信『朝日新聞』)

 

野田内閣の内閣官房機密費の情報公開方針に関する質問主意書と答弁書

2011(平成23)年9月14日提出
質問第26号

野田内閣の内閣官房機密費の情報公開方針に関する質問主意書

提出者 日本共産党 塩川鉄也


一 2011年度の内閣官房報償費(機密費)について、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費の国庫からの支出状況(請求日、支出額)を明らかにされたい。

 

二 鳩山内閣の平野博文内閣官房長官は、麻生内閣の河村建夫内閣官房長官からの引き継ぎ時に、内閣官房報償費(機密費)の残額がゼロであったことを衆議院内閣委員会で明らかにした。菅内閣の枝野幸男内閣官房長官から野田内閣の藤村修内閣官房長官の引き継ぎ時に、内閣官房報償費(機密費)の残高がいくらであったか明らかにされたい。

 

三 民主党は、2009年の総選挙のマニフェストにおいて、「税金の使い途をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける。」としていた。自民党政権時代と比べて民主党政権下では、内閣官房報償費(機密費)の情報公開において、何が前進したか明らかにされたい。

 

四 民主党政権となってからすでに2年以上経過した。2009年の総選挙で民主党がマニフェストに掲げた、「税金の使い途をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける。」という公約を野田内閣では、内閣官房報償費(機密費)についてどのように具体化していくのか明らかにされたい。 

 

右質問する。

 

 

 

民主党政権の内閣官房機密費の情報公開方針に関する質問主意書と答弁書

2011(平成23)年4月28日提出

質問第157号

 

民主党政権の内閣官房機密費の情報公開方針に関する質問主意書

 

提出者 日本共産党 塩川鉄也

2011(平成23)年5月10日受領
答弁第157号
  内閣衆質177第157号
  平成23年5月10日

内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員塩川鉄也君提出民主党政権の内閣官房機密費の情報公開方針に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

一 2010年度の内閣官房報償費(機密費)について、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費の国庫からの支出状況(請求日、支出額)を明らかにされたい。

一について

お尋ねについては、平成22年4月2日、同月28日、同年5月25日、同年6月25日、同年7月23日、同年8月23日、同年9月21日、同年10月21日、同年11月22日、同年12月20日、平成23年1月21日及び同年2月18日に請求し、それに対し各1億円ずつ支出されているとともに、平成23年3月17日に請求し、それに対し3千万円が支出されている。

二 2010年度の内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費(機密費)について、未使用額がいくらか、その未使用額を国庫に返納したのであれば、返納額及び返納の期日を明らかにされたい。

二について

平成22年度に内閣官房長官へ支出された内閣官房報償費の未使用額は、91万3千82円であり、これについては、平成23年4月22日に国庫に返納する手続が行われた。
 なお、このほかに、内閣官房長官からの請求がなく未執行となった内閣官房報償費が、21万千円ある。

三 枝野幸男内閣官房長官は、4月14日の参議院内閣委員会で、「具体的なことは申し上げられませんが、震災発生以降、官房機密費等の使途についても、この震災に、どうやって被災者の皆さんを支援をするかということの観点でまさに効果的に使わせていただいているということだけは申し上げたいと思っております。」と答弁している。東日本大震災の被災者支援に内閣官房報償費(機密費)を使用しているのであれば、この使途先、使途別使用額を明らかにできない理由はない。被災者支援に「効果的に使わせていただいている」というのであれば、使途先、使途別使用額を明らかにされたい。そして、国民の税金が被災者支援に本当に効果的に使用されたかどうか国民の検証をうけるべきではないか。

三について

 尋ねの使途先及び使途別使用額については、内閣官房報償費の性格上、お答えを差し控えたい。また、内閣官房報償費については、その取扱責任者である枝野幸男内閣官房長官が、責任を持ってこれを効果的に執行しているところである。

四 民主党政権となってからすでに1年上経過し、民主党政権が編成した予算である2010年度予算を通じても内閣官房報償費(機密費)を使用してきた。すでに、民主党政権として「報償費の透明性の確保を図る方策」(「内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針」)を明らかにするべき十分な期間を経過したと考えるが、民主党政権として、いつまでに、「報償費の透明性の確保を図る方策」を明らかにするのか。

 

五 枝野幸男内閣官房長官は、4月14日の参議院内閣委員会で、「官房機密費については、どういう形でどこまで何を公開できるのかということは、これは同じ党の政権であっても、私自身も官房長官に初めて就任して以降、具体的な使途について、今、日々把握をしている状況でございますので、私がもしある程度の期間、官房長官を務めさせていただければ、それを踏まえて、どういった基準でどういうやり方をするかということをお示しできるというふうに思っております。」と答弁している。なぜ、これまでの民主党政権の具体的な使途の検証から「報償費の透明性の確保を図る方策」を明らかにしないのか。枝野幸男内閣官房長官がこれまでの民主党政権の具体的な使途等が把握できないために検証できないのか。それとも、民主党政権としての内閣官房報償費(機密費)使用の経験が足りないために検証できないのか。これまでの民主党政権としての具体的な使途の検証から、「報償費の透明性の確保を図る方策」を明らかにしない理由を説明されたい。

 

六 枝野幸男内閣官房長官は、4月14日の参議院内閣委員会で、「私がもしある程度の期間、官房長官を務めさせていただければ、それを踏まえて、どういった基準でどういうやり方をするかということをお示しできるというふうに思っております。」と答弁している。民主党政権は、内閣官房長官が交代すれば、そのたびに「報償費の透明性の確保を図る方策」の検証のやり直しを行う方針なのか。内閣官房長官の交代にかかわらず、民主党政権として「報償費の透明性の確保を図る方策」を明らかにするつもりはないのか。

四から六までについて

 内閣としては、鳩山前内閣に引き続き、内閣官房報償費の取扱責任者である内閣官房長官が、責任を持ってこれを執行し、その使途等を検証しているところであり、内閣官房報償費の透明性の確保を図る方策については、その中で検討することとしている。
 しかしながら、内閣官房報償費は、取扱責任者であるその時々の内閣官房長官が、その都度の判断で最も適当と認められる方法により使用することとされている経費であり、現在、枝野幸男内閣官房長官が自ら執行する中でその使途等を検証しているところである。したがって、現時点で「いつまでに、「報償費の透明性の確保を図る方策」を明らかにするのか」についてお答えすることは困難である。

七 私は、2月7日の衆議院予算委員会で、与謝野馨国務大臣に、「与謝野大臣は、短期間ではございましたが、安倍政権のときの官房長官をお務めでございました。その際に、前任者が塩崎氏でございましたが、塩崎氏から官房長官を引き継いだ際に、金庫の中は幾ら残っておられたのか、お尋ねをいたします。」と質問した。与謝野馨国務大臣の答弁は、「昔のことですし、確たる数字を申し上げるほどの記憶はございません。」であった。確たる数字を申し上げるほどの記憶がないと答弁しているのであるから、金庫は空ではなく、ゼロではない確たる数字の残高があったと理解してよいか。

 

 右質問する。

七について

与謝野馨国務大臣に確認したところ、お尋ねの点については記憶がないとのことであった。